News

ワタナベジグのよもやま話~第2回~

皆さんこんにちは!

 

ワタナベジグ、更新担当の富山です。

 

 

 

 

治具設計は、単に「部品を固定するためのツールを作る」という作業ではありません。作業の効率化・品質向上・安全性の向上を考慮しながら、最適な設計を行うことが重要です。

例えば、製造ラインのある工程で「作業者が手作業で部品をセットする時間が長い」「部品の位置ずれが発生しやすい」といった問題がある場合、適切な治具を設計・導入することで、作業時間の短縮や精度向上が可能になります。

ここでは、治具設計がどのような流れで進められるのか、具体的な5つのステップを詳しく解説していきます!


1. 治具設計の流れ

 

治具設計は、大きく分けて**「ヒアリング・要件定義」「概念設計」「CAD設計」「試作・検証」「量産化・導入」**の5つのステップで進められます。


① ヒアリング・要件定義(どんな治具が必要かを明確にする)

 

治具設計の最初のステップは、「どんな問題を解決するために治具を作るのか?」を明確にすることです。これがしっかりできていないと、現場で使いにくい治具ができてしまい、「思ったほど作業効率が上がらない…」といった事態になりかねません。

作業内容の確認

  • どの工程で治具を使用するのか?(加工、組立、測定など)
  • 現在の作業で発生している問題点は?(精度不足、時間がかかる、安全性の問題など)
  • 治具を導入することで期待する効果は?(作業時間の短縮、ミスの削減、コスト削減など)

精度や強度の要件を決定

  • どのくらいの精度が求められるのか?(±0.1mmの精度?それとも±0.01mm?)
  • どの程度の耐久性が必要か?(頻繁に交換が必要な消耗品か、長期間使用するものか?)

作業環境の確認

  • スペースの制約はあるか?(狭い作業台で使うのか、大型の設備なのか?)
  • 使用する工具や機械との相性は?(手動で使うのか、NC加工機で使うのか?)

このヒアリングを通じて、どのような治具が最適なのかを明確にします。


② 概念設計・アイデア出し(どんな治具を作るか決める)

 

ヒアリングで得た情報をもとに、治具の大まかな設計方針を決めます。

治具の方式を決定

  • クランプ式 → レバーやネジを使って部品をしっかり固定する治具
  • マグネット式 → 磁力を利用して部品を固定し、取り外しが簡単にできる治具
  • バキューム式(吸着式) → 空気圧を利用して部品を固定する治具

使いやすさ・強度・コストのバランスを考慮

  • 作業者が簡単に使える設計になっているか?
  • 強度や耐久性を確保しつつ、できるだけコストを抑えられるか?
  • メンテナンスしやすい設計になっているか?(部品交換が容易か?)

この段階では、手書きのスケッチや簡単な図面を作成しながら、アイデアを固めていきます。


③ CAD設計(2D・3Dモデリング)

 

アイデアが固まったら、CAD(コンピュータ支援設計)を使って、詳細な設計を行います。

2D CADで図面作成(AutoCADなど)

  • 基本的な寸法や形状を決定
  • 各部品の組み合わせや寸法公差を設定

3D CADでモデリング(SOLIDWORKS、Fusion 360など)

  • 実際の治具の立体モデルを作成
  • 組み立てた際の動作確認(干渉チェックなど)

シミュレーションを行い、動作確認

  • どのように部品を固定するのか?
  • 作業者が使いやすいデザインになっているか?
  • 強度や耐久性に問題はないか?

3Dモデリングを行うことで、実際に製作する前に設計の問題点を見つけやすくなります。


④ 試作・検証(現場での実用性を確認)

 

CAD設計が完了したら、実際に試作品を作り、現場での使用テストを行います。

試作を製作(樹脂やアルミで試験的に作ることも)
現場で使用し、作業者のフィードバックを得る
使いやすさ・精度を確認し、必要に応じて修正

試作段階では、「思ったより操作しにくい」「取り外しに時間がかかる」などの問題が見つかることもあります。そうしたフィードバックを反映しながら、改良を加えていきます。


⑤ 量産化・導入(実際の生産ラインへ)

 

試作・検証を経て、問題がなければ、いよいよ量産・導入のフェーズです。

最終設計の確認(細かい寸法や材質を再チェック)
量産のための製造工程を決定(CNC加工、3Dプリンタなど)
現場への導入・教育(作業者に使用方法を説明)

治具の導入後は、定期的なメンテナンスやアップデートが必要になる場合もあるため、アフターフォローも重要になります。


3. まとめ

 

治具設計は、「作業を楽にする道具を作る」というシンプルなものではなく、作業の効率化・品質向上・安全性を考慮しながら進めるプロセスが大切です。

ヒアリング・要件定義(どんな作業を改善するのか明確にする)
概念設計・アイデア出し(最適な治具の方式を決定)
CAD設計(2D・3Dモデリングで詳細設計)
試作・検証(現場で実際に使って改良)
量産化・導入(生産ラインに導入し、運用開始!)

次回は、「治具設計に必要なスキルとツール」を詳しく解説します!

「治具設計にはどんな技術が必要なの?」
「どんなツールを使うの?」

そんな疑問にお答えしますので、お楽しみに!

apple-touch-icon.png